あのひとみん?

文章のトレーニングがてらにブログを始めてみました。

恋愛と性交渉(3):恋愛全体の開始

前回記事よりかなり時間が過ぎました。なんか下書きがあったので、投稿しておきます。いつまで考えていても先に進みませんし。

 

 前回までの記事で、「恋愛全体」という概念と「真の/偽の恋愛*1という概念を導入しました。しかし、これらの中身が今一歩理解しがたいのでもう少し掘り下げてみることにします。今回は特に「恋愛全体」を理解してみようと思います。

 そもそも「恋愛全体」とはいったいどのように生まれるのでしょうか? まず、「偽の恋愛」(=性交渉を伴わない恋愛全体)を想定する時点で、「性交渉」が恋愛全体の発生条件の関わる、とする推論には無理があります。つまり、恋愛全体と性交渉は独立した要素だということです。恋愛全体が成立している+性交渉を伴っているという条件を達成した場合に、「真の恋愛」は成立する、と考えられます。これを踏まえて1つの説を考えてみましょう。

 

「恋愛開始の合意」説

 もっとも「常識的に」考えればこの説になると思います。つまり、恋愛当事者たちが「私たちは恋愛を開始します」という合意ができたときに、同時に恋愛全体も発生するという説です。この場合、恋愛終了時も基本的には同じと考えて良いでしょう。「恋愛を終了します」という合意ができたときに恋愛全体が終了するというわけです。この説における恋愛全体とは、つまり下図の開始-合意(K)と終了-合意(S)との間*2を意味します。また、この考え方において「真の恋愛」とは、K-S間において性交渉が成立した状態、同様に「偽の恋愛」とはK-S間で性交渉が成立しない場合ということになります。

開始-合意(K)       終了-合意(S)

「全体」開始→性交渉の有無→「全体」終了

 

※恋愛全体……KとSの間
 真の恋愛……性交渉が成立
 偽の恋愛……性交渉が不成立

 

 しかし注意してほしいのは、ここで言う「合意」とは必ずしも文字通りの合意(=以下「合意」様行為)を意味しないということです。そのような「合意」様行為をしたところで当事者に恋愛をしている意識がなければそれは恋愛だと言い難そうであるし、また「合意」様行為がなくとも恋愛関係になることは容易に想定できるからです。ですので、実際のところ必要なのは当事者が現在恋愛しているという認識だろうと考えられます。この認識を恋愛認識とでも呼んでおきましょう。「合意」様行為は恋愛認識を引き出すためのトリガーに過ぎないというわけです。なお下図において「合意」様行為(X)と恋愛認識(X)との間の順序は特にもうけていません。同時もあり得るでしょうし、どちらか一方がもう一方に先行する事もあり得るからです。もちろん、「合意」様行為を伴わないケースも考えられるでしょう。そういう可能性を考慮した形式となっています。

「合意」様行為(K)         「合意」様行為(S)
 恋愛認識(K) → 性交渉の有無 → 恋愛認識(S)

 

※恋愛全体……KとSの間
 真の恋愛……恋愛全体において性交渉が成立
 偽の恋愛……恋愛全体において性交渉が不成立

 

 以上を総合すると、恋愛全体成立のためにはまず「恋愛認識」が必要なことがわかりました。また「真の恋愛」が成立するためには、恋愛認識と性交渉両方の成立が不可欠だと考えられます。これは言い換えれば、性交渉の両方を持たない恋愛は「真の恋愛」ではない、つまり「偽の恋愛」だということです。これは恋愛意識をもたない恋愛は、ここでは論理的に存在し得ないためです。なおこの点についても深く考える必要があるでしょう。というのも、当事者たちには恋愛認識はないのですが、第三者からみると恋愛関係があるかのように見える場合もまた想定できるからです。

 しかしここで気になることがあります。ここまではその主張をとりあえず受け入れてきたのですが、いったいどうして「性交渉」を経ると「真の恋愛」になるのでしょうか

*1:前回は「偽物の恋愛」という語を採用しましたが、今回以降「偽の恋愛」に統一したいと思います。

*2:Kは開始Kaishi、Sは終了Shuryouを意味します。本稿ではこの表記を今後断りなく入れますのでご了承ください。